はじめに
投資を続けてきて、一番しんどかったのは、
大きな失敗をしたときでも、大きくお金を失ったときでもありません。
いちばんきつかったのは、もっと地味なものでした。
「このまま続けていて、意味あるのかな」
そう思い始めた時期です。
不安が消えないだけでなく、こんな感覚も出てきます。
- もっと良いやり方があるんじゃないか
- 自分は遠回りしているんじゃないか
- そもそも、何のために投資しているんだっけ
勉強しているほど、情報を見ているほど、
この感覚は強くなりました。
今回は、不安が消えない理由と目的を見失いやすくなる理由を、
自分の体験を交えて「前提」の話として整理します。
前提① 投資は「最適解を探すゲーム」ではない
多くの人が、無意識にこう考えています。
「正しい方法を選べば、不安は減り、結果もついてくるはず」
でも実際は、
- 投資手法に正解はない
- 結果は後にならないと分からない
- 他人の成功は再現できない
自分がこれを痛感したのは、SNSで他人の成績を見ていたときです。
含み益が出ている人。配当が増えている人。資産が順調に伸びている人。
「自分は何をやっているんだろう」と、何度も思いました。
頭では分かっています。人は人、自分は自分。
それでも感情は、理屈どおりには動きません。
「もっと良いやり方がある気がする」という感覚は、
努力している人ほど自然に出てくるものです。
これを「自分の判断が間違っている証拠」だと思ってしまうと、
一生、手法探しが終わりません。
前提② 不安が強いと、投資の目的は簡単にぼやける
投資を始めたときは、それなりに理由があったはずです。
- 将来への備え
- お金の不安を減らしたい
- 何もしない不安から抜けたい
でも、不安が続くと、いつの間にか視点が変わります。
今月は増えたか。他人より遅れていないか。判断を間違えていないか。
目的ではなく、結果だけを見る状態です。
自分の場合、評価額が減っているのを見ると、
「もし投資していなかったら、このお金で何ができただろう」
と考えてしまう時期がありました。
ちょっと良い外食。旅行。家の中の欲しかったもの。
現実には使っていないお金です。売ってもいないし、損が確定したわけでもない。
それでも、感覚としては「失った」に近い。これが地味に、じわじわ効きました。
こうなると「何のために投資しているのか分からなくなった」という感覚が出てきます。
これは珍しいことではなく、かなり多くの人が通る段階だと思います。
前提③ 「もっと良い方法があるはず」は、不安の副作用
不安があると、頭は自然とこう動きます。
- 今のやり方が悪いのでは
- もっと効率的な方法があるのでは
- 自分は選択を間違えたのでは
でもこれは、冷静な検証というより不安を解消したい衝動に近いものです。
不安を感じている状態では、どんな方法も「まだ足りない」に見えます。
だから、手法を変えても、勉強を増やしても、情報を集めても、
不安は根本的には消えません。
前提④ 自分のリスク許容度は、思っているより低い
自分では「このくらい減っても大丈夫」と思っていました。
でも実際に評価額が減ると、思ったより気持ちは揺れました。
金額としては大したことがなくても、
マイナス表示を見ると素直にへこみます。何年やっても慣れません。
自分が思っていたほど、リスク許容度は高くなかった。
これは反省というより、「自分の弱さが分かった」という話です。
投資を続けるうえで、それは意外と大きな収穫でした。
許容度を高く見積もったまま金額を増やしていたら、
どこかで続けられなくなっていたと思います。
前提⑤ 投資の目的は、放っておくとズレる
投資の目的は、一度決めたら終わりではありません。
- 生活が変わる
- 家族構成が変わる
- 収入や余裕が変わる
環境が変われば、目的も微妙にズレていきます。
でも、多くの人は目的を更新しないまま続けます。
その結果、目的に合っていない手法を続けて、不安だけが残り、
やっている意味が分からなくなる。
不安の正体は、手法ではなく目的とのズレであることも多いです。
不安が出たときに確認するのは「正解」ではなく「基準」
不安が出たとき、確認すべきなのは
「今のやり方が正解か」ではなく、
「今のやり方は、自分の目的に合っているか」です。
老後資金なのか。生活を少し楽にしたいのか。不安を減らしたいだけなのか。
目的が違えば、最適なスピードも満足ラインも変わります。
自分は最初、この基準が曖昧でした。
「どこまで来たらやめる」「どうなったら見直す」という線がないと、
下がったときに毎回“気持ちで判断”することになります。
たぶん、これが一番消耗します。
金額でも期間でもいいので、何かしらの基準を先に言葉にしておく。
不安が消えないときは、手法を疑う前に、目的と基準を言葉に戻す。
それだけで、不安の種類が変わりました。
それでもきつくなったら、金額を下げて続ける
それでも「やめたい」に近づいたときの対処は、シンプルでした。
気合いで乗り切るのではなく、投資額を小さくして、続けられる形に戻す。
自分が停滞期にやめずに済んだのは、根性でも強い意志でもありません。
無理な入金をしない。投資額を大きくしすぎない。
生活に影響が出ない範囲に収める。
続いていた理由は「強さ」ではなく、「壊れない設計」にしていただけでした。
まとめ
投資で不安が消えないのは、勉強不足でも、向いていないからでもありません。
- 正解を探そうとする構造
- 目的がぼやけやすい構造
投資が、この2つを最初から持っているからです。
だから、不安が出るのは前提。方法に迷うのも前提。目的を見失うことも前提。
その上で、基準を言葉にして、きつくなったら金額を下げて、
壊れない形を選び続ける。
それが、長く続く人の現実的な投資だと思っています。
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補足:
直近の資産状況は、月次でまとめています。
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